正倉院文書調査

二〇〇〇年度の正倉院文書調査は、一一月六日〜一〇日の五日間、宮内庁正倉院事務所(奈良市雑司町)に出張し、同保存課修理室において原本調査を行った。昨年度に引き続き、塵芥文書三九巻三冊について料紙構成、断簡の接続関係等を中心とした原本調査を行い、『正倉院文書目録』五・塵芥(二〇〇三年度刊行予定)編纂のための調書・原稿を作成した。また、この期間内に、『日本荘園絵図聚影・五上 西日本一』(二〇〇一年二月刊行)に図版を収録する阿波国名方郡新島荘絵図・同大豆処絵図(東南院文書第三櫃二十五巻)の色校正と調査を合わせて行った。
 また、二〇〇一年一月二二日〜二四日にかけて、正倉院事務所に出張し、同所において正倉院文書の調査を担当されている保存課調査室長・杉本一樹氏、同室員・飯田剛彦氏より、塵芥文書の原本調査成果に関して指導・助言を受け、合わせて正倉院文書の研究調査課題について打合せを行なった。
 正倉院文書閲覧の許可を与えられ、調査・研究に関して便宜をお図りいただいた宮内庁及び正倉院事務所に厚く謝意を表する。
                       (石上英一・加藤友康・山口英男)

『東京大学史料編纂所報』第36号